【VGC2016】ゼルネアス+カイオーガ+クチート【グロリアクラシック第4回予選優勝】
2015/12/20開催のグロリアクラシック第4回予選で使用した構築。97人トーナメントを7連勝して優勝しました。
自分の実力以外の部分に多く助けられた上での大会結果であるとは感じているのですが、「ゲンシカイオーガを押し付ける」という単純なコンセプトの強さを確信できたのは収穫でした。
【概要】
VGC2016初期環境をみて『トリックルーム+スキルスワップ+ゲンシカイオーガ』を使いたいと考えたところからスタート。
本ルールを象徴する組み合わせである『+』をどのように対策するかを考えたとき、ミラーの形では同速勝負により不安定な試合が増えてしまう、また相手ゼルネアスにジオコントロールからの無双を許したくない、ということでトリックルームをメインに展開することに。トリックルーム下のエースにはトリル要員の低火力を一体で補える超火力全体技持ちのゲンシカイオーガを選び、終わりの大地のみでオーガが止まることのないようにスキルスワップも採用したい、、、とまで決めたところでコマールさんの構築記事
【Generation Showdown使用構築】オーガゼルネスイッチ 4位&15位|コマールのポケモン記録帳
を拝見し、とても使い勝手が良さそうだったので大いに参考にさせていただきました。構築のコピー度が高いので個別解説では配分と元記事との差異部分のみ挙げていきます。
【個別解説】
■ゼルネアス@パワフルハーブ<フェアリーオーラ>
臆病 | 207 | x | 118 | 172 | 122 | 166 |
---|---|---|---|---|---|---|
努力値 | 44 | 0 | 20 | 164 | 28 | 252 |
◯C
[ムーンフォース]
[マジカルシャイン]
◯B
- A232メガレックウザの珠ガリョウテンセイ 確定耐え
- A194メガガルーラの捨て身タックル 確定耐え
- A177メガガルーラの恩返し+不意打ち 確定耐え
- A222ギルガルドのアイアンヘッド 確定耐え
- A255ゲンシグラードンの手助け断崖の剣 確定耐え
- A201ゲンシグラードンの断崖の剣 確定2耐え
- A151ホウオウのブレイブバード 確定2耐え
- 威嚇込みでA172メガクチートのアイアンヘッド 高乱数耐え(94%)
◯D
◯S
- 最速
ゼルネアスの役割はエースというよりも、オーガで処理の遅れる対ドラゴンや相手オーガへの削り役、クロバット・ボルトロスなどを先発に呼んでマニューラで狩りトリックルームの障害を除くといったような選出誘導枠と捉えています。もちろん隙のある相手にはジオコンからの無双も狙っていきます。
よって配分は最速を維持しつつ役割対象であるメガレックウザの珠ガリョウテンセイ耐えとオーガに2手で倒されることのないように潮吹き+根源耐えを施しました。ほぼ同じDラインでC補正グラードンの噴火をジオコン込み2耐え(冷静HCなら噴火+断崖でも耐え)となり、副産物的にスカーフカイオーガの潮吹き奇襲も耐えられるようになります。
またゼルネアス同士のジオコンミラーとなった際にシャイン→ムンフォで落とされない耐久も確保し同速負けへのリスクを軽減させています。
潮吹き 根源の波動 雷 守る
冷静 | 207 | x | 131 | 198 | 162 | 92 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゲンシ | 207 | x | 131 | 231 | 182 | 92 |
努力値 | 252 | 0 | 164 | 76 | 12 | 0 |
◯C
[潮吹き]
[根源の波動]
- 手助け込みで202-119ゼルネアス 確定1発
[雷]
- 207-181ゲンシカイオーガ 確定2発
◯B
◯D
◯S
- 最遅100族-2
冷凍ビームを雷に替えて相手のオーガに少なくとも五分で殴り合えるようにしました。手の出なくなったドラゴンにはゼルネ・クチート・クレセで応戦しますが、相手グラードンに天候を取られてしまうと打てる技がなくなってしまうので常に天候負けしないことを意識して動かします。一応水浸しヌケニンで一方的に積むことも防げます。
努力値は火力よりも物理耐久に多く割きゲンシグラードンに後投げから天候を取る選択肢を取れるように。
最遅でない理由は、トリルオーガ構築ミラーとなったとき初手にオーガを置いたほうがダメージレースで優位に立てるのでそこで先行を取る可能性を上げるためであり、S92という数値にはそこまで大きな意味はありません。控えめ個体でも充分だと思います。
じゃれつく アイアンヘッド 不意打ち 炎の牙
勇敢 | 157 | 133 | 105 | x | 92 | 49 |
---|---|---|---|---|---|---|
メガ | 157 | 155 | 145 | x | 132 | 49 |
努力値 | 252 | 124 | 0 | 0 | 132 | 0 |
◯A
[じゃれつく]
[アイアンヘッド]
- 202-116ゼルネアス 確定1発
[不意打ち]
- 182-111ミュウツー 中乱数1発(63%)
[炎の牙]
- 181-152ナットレイ 確定1発
◯B
- 威嚇込みでA255ゲンシグラードンの断崖の剣 確定耐え
◯D
- C255ゲンシカイオーガの根源の波動 高乱数耐え(94%)
◯S
- 最遅
ゼルネアス+カイオーガで穴になるナットレイ処理のために守るを切って炎の牙を採用し、素早さも最遅にしてジャイロボールの被ダメを少しでも抑えられるようにしています。
努力値に関しては、若干の火力不足を痛感するシーンもしばしば訪れるのですが根源耐えはマストだろうと上記の配分に落ち着きました。
■クレセリア@オボンの実<浮遊>
生意気 | 226 | x | 161 | 95 | 179 | 91 |
---|---|---|---|---|---|---|
努力値 | 244 | 0 | 164 | 0 | 100 | 0 |
備考:S個体値24~25
◯D
- オボン込みでC222ゲンシグラードンの噴火 確定2耐え
◯S
- 最遅100族-3
カイオーガが失った氷打点を補完する意図で冷凍ビームを採用していますが、181-121メガレックウザが低乱数3発、167-96エルフーンが確定3発となる程度なのでメガゲンガーの身代わりを壊せるエスパー技や他の補助技も一考の余地があるかもしれません。
努力値は盤面コントロールを十全に行ってもらいたいため耐久に全振りです。
素早さは最遅90族-1のS84ではスキスワ戦争が勃発するので、今ならオーガに合わせて少し上げたほうがゲームプランを立てやすいでしょう。グラードン前で行動に余裕が生まれるオーガのB振りが役立ちます。
■マニューラ@命の珠<プレッシャー>
氷柱落とし 叩き落とす 蹴手繰り 猫騙し
陽気 | 146 | 172 | 85 | x | 105 | 194 |
---|---|---|---|---|---|---|
努力値 | 4 | 252 | 0 | 0 | 0 | 252 |
◯A
[氷柱落とし]
[叩き落とす]
- 167-101メガゲンガー 高乱数1発(81%)
[蹴手繰り]
- 175-111ゲンシカイオーガ 確定2発
◯S
- 最速
メガレックウザを強く意識して襷ではなく命の珠での採用。猫騙し役のみに留まらず優秀な攻撃範囲と火力でかなり使いやすい駒だと感じました。マニューラゼルネアスの初手に精神力猫騙しを選択するガルーラは2ターン目に蹴手繰り+マジカルシャインで縛れます。
捨て身タックル 流星群 火炎放射 守る
せっかち | 170 | 182 | 90 | 136 | 100 | 167 |
---|---|---|---|---|---|---|
メガ | 170 | 192 | 135 | 146 | 110 | 189 |
努力値 | 0 | 212 | 0 | 44 | 0 | 252 |
◯A
[捨て身タックル]
◯C
[流星群]
- 181-121メガレックウザ 高乱数1発(94%)
[火炎放射]
◯D
- C222ゲンシグラードンの手助け噴火 確定耐え
◯S
- 最速
トリックルーム展開が刺さらない相手や『+』『+/』のようなオーガでのグラードン処理が難そうな相手に出して行きます。
エルフーンやレパルダスのような低耐久一般ポケモンを範囲技で処理できるようにと大会ではハイパーボイスを持たせていましたが、肝心のエルフーン+メガゲンガー相手にはアンコールでゼルネアスの起点にされてしまうことに気づき、ゼルネの起点にならずメガゲンガーの即処理も狙える捨て身タックルに変更しました。
特攻の数値を下げたことで晴れ大文字に期待できる火力も心許なくなってしまったので安定性のある火炎放射に。
両刀にする場合せっかちにするか無邪気にするか悩ましいですが炎・水耐性も買っているのでせっかちを今回は選びました。
【雑感】(1/28追記)
『トリックルーム(クレセリア)+カイオーガ』を軸に添えたパーティですが「火力不足」「対ドーブルの薄さ」の2点に悩まされることとなってしまいました。
「火力不足」というのも『手助け+潮吹き』を押せる場面が思いの外少なく『スキスワ+根源の波動』を多用せざるを得ないからです。スキスワを打つ(打たされる)のは言うまでもなく相手グラードンの存在からですが、グラ処理をほぼほぼオーガに一任する形となったことで、オーガを繰り出す前にグラを倒せない→手助け連打体勢が作れていない、という不自由さが常に付きまとってしまいました。
また天候戦を繰り広げる場合試合途中で相手より頭数が減ることは交替の選択肢が狭まりその分不利になってしまうので避けたいところですが、そうなるとこの構築の場合カイオーガの後出しが増え、結果的にHPが削れ潮吹きが打てない→根源の波動の使用機会が増える、と先の火力不足に結びついてしまいます。
上でカイオーガの配分について「(火力は必要最低限に留め)物理耐久に多く割きゲンシグラードンに後投げから天候を取る選択肢を取れる」ことをメリットとして述べながら、その配分・行動選択が同時に無視できないほどのデメリットも呼び起こしているのでどこを伸ばすべきかは難しいところ…。
火力不足の解消法としては①「潮吹きを打てるようにする(グラードンを処理できる駒を増やしオーガの仕事量を減らす)」、②「攻撃力のある並びを作りやすくし根源の波動で足る場面を増やす」③「努力値配分の見つめ直し」などが思い浮かびますが①②に関してはパーティメンツを入れ替えないと済まなそうです。
「対ドーブルの薄さ」ですが、パーティ内のドーブルより素早いポケモンがマニューラ・ボーマンダ・ゼルネアスとなっていますが、フェアリー耐性が皆無です(尚且つここから2体を選出しようとするとクレセ・オーガ・クチートの何れかを選出できない)。ということでドーブル処理にこれらを繰り出しても『』の並びに襷この指+ジオコンをされるだけで鹿せんべいにされてしまいます。
クレセにラム、クチートに守るがあればダクホジオコンに対して動かせなくもないですがクレセクチートの並びはグラードンに対してかなり弱いので先発に置く場合裏への負荷をよく考えなければなりません。
『』に一方的に不利にならない構築を目指したいところですが、充分に満たせそうな改良案もそう簡単に思いつけず手が止まってしまいました。
「トリルオーガの課題」と「トリル主軸構築の課題」に悩むうちに闇に飲まれてしまったので次は自分でゼルネドーブルを使おうと思います(u_u*)