【コラム】ダブルバトル:マニュテラvsガルーラバレルの初手対面
vs
この初手対面、自分が「マニュテラ」側だったら、「ガルーラバレル」側だったら、どのように初手選択すればいいんでしょうか?
考慮したい要素は
⑤ガルーラの特性「精神力」
⑥メガガルーラはマニューラ、テラキオンをそれぞれ確定1発にできる攻撃を覚える
⑦モロバレルの怒りの粉(優先度2)
⑧モロバレルのキノコの胞子
大きなものでこの8つがあると思います。
持ち物や控えのポケモンなどにも意識を向けると十数まで増えてしまうのでこの辺で。基本的にマニュは襷、テラキはラムで考えてます。
先日この初手対面の試合を見る機会がありました。
その対戦での双方の行動は
100100 ー 100100
ガルーラメガ進化守る
モロバレル守る
100100 ー 100100
でした。誰もダメージを負うことのない平和なターン。
そして2ターン目は
テラキオン岩雪崩(→メガガルーラHP3割減)(→モロバレルHP2割減)
メガガルーラグロウパンチ(→テラキオンHP5割減)A2段階上昇
100(眠0)50 ー 70(A↑↑)20
と進んで、盤面は大きく動き、
マニュテラ側はマニューラに後攻催眠、テラキを半分削られる。
ガルーラバレル側はメガガルーラのHPを残しながらガルーラのA2段階上昇、モロバレルも生存。
という状況になりました。
テラキオンの前でモロバレルの怒りの粉サポートをせずにメガガルーラを動かすのは多少ずるくもありますが駆け引きの上でガルーラバレル側が有利に立っていたので仕方がないといえば仕方がない。
ちなみにこの次のターンは怒りの粉からの岩雪崩でガルーラが怯むこともなく、バレルとテラキが落ちて
100(眠1)+控え2体 ー 50(A↑↑)+控え2体
控えはお互いこの時点ではわかりませんが、場の状況だけ見るにガルーラバレル側が有利に3ターンを立ち回ったように見受けられます。(欲を言えば3ターン目はグロパンでマニュを倒したかったかなーと)
-------タイセンフリカエリ オワリ-------
上の一対戦と8つの要素を踏まえて、改めて最初のマニュテラ、ガルーラバレル対面を考えていこうと思います。
⑤ガルーラの特性「精神力」
⑥メガガルーラはマニューラ、テラキオンをそれぞれ確定1発にできる攻撃を覚える
⑦モロバレルの怒りの粉(優先度2)
⑧モロバレルのキノコの胞子
■マニュテラの『安定行動』
まず猫騙しを使用するかどうか。相手2体の自由行動を許した場合、相手ガルーラがテラキオンに猫騙しを打ちながらモロバレルにキノコの胞子を撒かれたり(④⑧)、怒りの粉サポートからのメガガルーラ攻撃でこちらのポケモンを処理され(⑥⑦)てしまう。それを防ぐために猫騙しを打つとします(どちらに打つかは他要素より決定)。
A181テラキオンの+4岩雪崩で
・181-120メガガルーラに144~169(80~93%)
・221-134モロバレルに127~151(57~68%)
①よりマニューラは猫騙しを選択することに決めているので1ターン目ではコンボを狙いには行きません。ちなみにダメ計よりどちらも1発で落とせないことがわかります。
このターン、マニュテラ側が唯一相手ポケモンを処理できる行動です。他の攻撃技や守るではアドバンテージを取りづらく、逆にインファイトが通れば大きく優位に立てるので選択することにします。対象はもちろんガルーラ。
プレイヤーの目線がブレないようにマニュテラ側から。
ガルーラの猫騙しを止める手段としてマニュの猫騙しがありますが、ガルーラが精神力だった場合、マニュの猫を受けたガルーラの猫でテラキオンを止められてモロバレルを自由に動かされるという可能性があります。ガルーラバレル側に「猫騙し+胞子」の行動をさせないために①で保留にしていたマニュの猫騙しの対象をモロバレルにします。
ここで一応
という「初手行動α」が決定しました。
⑥メガガルーラはマニューラ、テラキオンをそれぞれ確定1発にできる攻撃を覚える
初手行動αをとるとき、相手ガルーラは上からインファイトで縛っているため、通るのであればこちらが反撃を受ける心配はありません。モロバレルを交代して威嚇やフレンドガードが出てくる可能性もありますが今は置いておきます。
⑦モロバレルの怒りの粉(優先度2)
初手行動αなら優先度の勝るマニュの猫騙しで怒りの粉を止められるので、モロバレルに妨害されることなくインファイトをガルーラへ通せる。
⑧モロバレルのキノコの胞子
こちらも同上。
ということで、①~⑧より
を選択すれば、マニュテラはガルーラバレルの強力な行動を全て封じつつ、場合によっては大きなアドバンテージを得られるということがわかりました。
この「初手行動α」がマニュテラ側の『安定行動』であるかに思われます。
しかし実際にこのように立ち回った上記例では結果的にマニュテラ側不利な2、3ターン目を送ることとなっています。言わずもがなモロバレルの怒りの粉の存在によるものです。マニュテラ側には2ターン目以降の怒りの粉を止める術はないのでガルーラにインファイトを通すことができず岩雪崩の怯みに掛ける他なくなってしまいます。
「初手行動α」は1ターン目のみだけを見れば無難にやり過ごせる一手ではありますが、実際にはインファイトのアドバンテージを取ることも叶わず(後述)、次ターン確実に不利状況となってしまう『悪手』だとさえ言えるかもしれません。
(一応、岩雪崩で怯ませられればガルーラバレルの突破も充分可能ではあるため完全な不利状況ではないこともない)
■ガルーラバレルの防御策
上でわかったように、ガルーラバレル側は大きなリスクを冒さずとも1ターン目さえ凌いでしまえばマニュテラには比較的優位に立ち回れます。
ここで最も意識すべきマニュテラ側の行動はやはり、ガルーラバレル側を大きく制限してくる「初手行動α」となります。
⑤ガルーラの特性「精神力」
⑥メガガルーラはマニューラ、テラキオンをそれぞれ確定1発にできる攻撃を覚える
⑦モロバレルの怒りの粉(優先度2)
⑧モロバレルのキノコの胞子
ガルーラを初手で失う訳にはいかないため、ガルーラの猫騙し、守る、モロバレルの怒りの粉の何れか1つは実行しなければなりません。
精神力ガルーラであればマニュやバレルがどう動こうとテラキ方向に猫騙しを打っておけばインファイトの被弾を食い止められます。別特性だった場合も取りあえずでテラキ方向に猫騙しを打っておけば「初手行動α」を凌ぐことができます。
猫騙しを覚えていない場合は守るを使うことでバレルのサポート無しにインファをやり過ごせます。
⑥メガガルーラはマニューラ、テラキオンをそれぞれ確定1発にできる攻撃を覚える
怒りの粉でのサポートを猫騙しで止められる可能性がある以上初手から殴りにはいけないのでガルーラは猫騙しか守る以外選択しづらい。
⑦モロバレルの怒りの粉(優先度2)
ガルーラが精神力猫騙しか守る以外の行動(③④⑤⑥よりメガ進化猫騙し)を取っている場合はマニューラの猫騙しがガルーラに打たれた場合のインファイトを吸うために候補に上がる。マニューラの猫騙しで防がれるため、逆説的に怒りの粉を選択するならガルーラはテラキへの猫騙しか守るをしなくてはならない。
⑧モロバレルのキノコの胞子
ガルーラが精神力猫騙しか守るを選択している場合の選択肢で、マニューラがガルーラ方向に猫騙しを打っていた場合にアドが取れる。精神力猫騙しをするならガルーラが猫騙しを受けたときに有利要素を生めるためキノコの胞子を選んでおきたい。テラキオンのラムの実所持率の高さから考えると(スカーフテラキだという確信でもなければ)マニューラ方向へ打ちたくなるか。
ということで、③~⑧よりガルーラバレルの取る初手行動は
「初手行動X」
キノコの胞子(→マニュ>テラキ)
「初手行動Y」
怒りの粉 or キノコの胞子(→マニュ>テラキ)
「初手行動Z」
メガ進化守る
怒りの粉 or キノコの胞子(→マニュ>テラキ) or 守る
の、ガルーラの型によって、3つに大別されます。
「初手行動α」を強く意識しながら行動を考えた部分もありますが、ガルーラバレル側の最優先事項は「ガルーラをインファイトで落とされないこと」なのでほとんどの方が「初手行動XYZ」内でのみ行動選択をするでしょう。これが上で述べた「実際にはインファイトのアドバンテージを取ることも叶わ」ないとする理由です。
と、ここまで書いてきたことですが、実際にランダム対戦でこのような場面に遭遇した人はこの状況を瞬間的に整理できてるんじゃないかなーと。
何も目新しいことを全然書いてないこの記事をここまで読んでくださってる方々ほんとお疲れ様です。やっと折り返しです。
■「初手行動XYZ」から生まれるマニュテラ側の「初手行動Ω」
マニュテラが「初手行動α」を実行した際に不利状況に陥ることは前述の通りですが、より次ターン以降を有利に進められる一手はないのかを考えます。
[2]袋叩きコンボを止められる行動が非常に少ないこと
が判明します。
[1]に関しては精査するまでもなく、マニューラに猫騙しを選択した場合「初手行動α」を完全に通されてしまうからです。マニューラがモロバレルに猫騙しを打ち、その後にガルーラがマニューラに猫騙し、インファイトが通ってガルーラが落ちる、ではせいぜいマニューラの襷を潰した程度でメガガルーラを失ってしまうことになります。
[2]について、マニューラがテラキオンに袋叩きを打つことがトリガーとなる袋叩きコンボを防げるガルーラバレルの行動は
「初手行動Y」の”メガ進化猫騙し+怒りの粉”
「初手行動Z」の"メガ進化守る+怒りの粉"
のみであり、また猫+粉、守る+粉というディフェンシブ過ぎる行動をバレル側プレイヤーが嫌ってキノコの胞子を選択する場合も考慮するとそれなりに高い確率で袋叩きが通るのではないでしょうか。コンボを狙うときのテラキオンの行動は、インファイトは通る機会がないので「初手行動Z」時にモロバレルにダメージ蓄積を狙える岩雪崩を選ぶのが良さそうです。
ということで
袋叩き(→テラキオン)
岩雪崩
という1ターン目から袋叩きコンボ発動を狙う「初手行動Ω」がここに新しく立ちました。実際にこの行動が有効かを判断するためにまずマニュテラ側からの各種与ダメージを並べます。
A172マニューラ
(氷の礫
・181-120メガガルーラに33~40(18~22%)
・221-134モロバレルに60~72(27~33%)
(冷凍パンチ
・181-120メガガルーラに61~73(34~40%)
・221-134モロバレルに110~132(50~60%)
(袋叩き
・ダメ計方法わからない;;
A181テラキオン
(岩雪崩
・181-120メガガルーラに48~57(27~31%)
・221-134モロバレルに42~51(19~23%)
(+4岩雪崩
・181-120メガガルーラに144~169(80~93%)
・221-134モロバレルに127~151(57~68%)
・181-120メガガルーラに204~242(113~134%)
・221-134モロバレルに46~54(21~24%)
(+4インファイト
・221-134モロバレルに136~161(62~73%)
ということで「初手行動Ω」×「初手行動XYZ」の処理を見ていくと、
Ⅰ.ガルーラバレルが「初手行動X」のとき
マニューラ袋叩き(→テラキオンHP2割減?)テラキオンA4段階上昇
テラキオン怯む
100(眠0)70(A↑↑↑↑) ー 100100
Ⅱ.ガルーラバレルが「初手行動Y:バレル怒りの粉」のとき
モロバレル怒りの粉
テラキオン怯み
10080 ー 10070
Ⅲ.ガルーラバレルが「初手行動Y:バレル胞子」のとき
マニューラ袋叩き(→テラキオンHP2割減?)テラキオンA4段階上昇
テラキオン怯む
100(眠0)60(A↑↑↑↑) ー 100100
Ⅳ.ガルーラバレルが「初手行動Z:バレル怒りの粉」のとき
ガルーラメガ進化守る
モロバレル怒りの粉
100100 ー 10050
Ⅴ.ガルーラバレルが「初手行動Z:バレル胞子」のとき
ガルーラメガ進化守る
マニューラ袋叩き(→テラキオンHP2割減)テラキオンA4段階上昇
100(眠0)80(A↑↑↑↑) ー 10040
Ⅵ.ガルーラバレルが「初手行動Z:バレル守る」のとき
ガルーラメガ進化守る
モロバレル守る
マニューラ袋叩き(→テラキオンHP2割減)テラキオンA4段階上昇
10080(A↑↑↑↑) ー 100100
Ⅰ~Ⅵを纏めると、「初手行動Ω」を取ったとき
Ⅰ.100(眠0)70(A↑↑↑↑) ー 100100
Ⅱ.100 80 ー 10070
Ⅲ.100(眠0)60(A↑↑↑↑) ー 100100
Ⅳ.100 100 ー 10050
Ⅴ.100(眠0)80(A↑↑↑↑) ー 10040
Ⅵ.100 80(A↑↑↑↑) ー 100100
(比較用α × X)
Ⅶ.100 90 ー 10090
(Ⅶはモロバレルがゴツメを持っていた場合マニュにダメージ)
こんな感じになって1ターン目が終了します。
次ターン以降の与ダメ総量を比較すると
ガルーラバレルへの+4岩雪崩の与ダメージ合計>>>モロバレルへの冷凍パンチとガルーラバレルへの岩雪崩の与ダメージ合計
であるため、例えマニュが機能停止していても「初手行動α」展開より「初手行動Ω」展開の方がダメージレースで優位を取れています。袋叩きコンボ成立後の岩雪崩でも一撃でメガガルーラを倒すことは叶いませんが、α展開では複数回怯ませなければ突破できなかったところがΩ展開では一度の怯みで突破可能になったり、テラキオンを一度守らせてマニュの眠りターンを稼いだりマニュを交代したりという選択肢も取れるため、テラキオンを生存させながらガルーラバレルを突破しうる可能性も充分にあると言えます。
Ω展開で袋叩きに失敗するⅡ、Ⅳとα展開の結果であるⅦを比較すると近しい状況となっていますが、バレルのHPを多く削れていて、バレルがゴツメ持ちだった場合でもマニュの襷を温存できる(袋叩きは非接触判定)Ⅱ、Ⅳの方が状況としては良いとまで言えます。(対グロパンガルーラでは襷が潰れた方が助けられますが)
よって、
現環境でガルーラバレルと対面した場合にマニュテラ側が初手にすべき行動は
ではなく、
袋叩き(→テラキオン)
岩雪崩
となるのではないでしょうか。
【まとめ】
ややこしいから怒りの粉に袋叩き吸われないエルテラ使お。